日本刑事政策研究会
刑事政策研究会ホームページにようこそ


 日本刑事政策研究会のホームページにアクセスいただき,ありがとうございます。
 いま,刑事政策の時代です。刑事司法に関する立法は,平成に入って暫くしたころから大きく動くようになり,多くの重要な制度改正が実現しました。裁判員制度,被害者参加制度,監獄法の全面改正は刑事司法の姿を大きく変えました。その後も,罪を犯した人の社会復帰を目指す議論の高まりを受け,一部執行猶予制度が導入され,現在は,再犯防止推進法に基づく国と地方公共団体の取組が始まっています。新しい刑事手続きも導入されました。

 刑事司法に関わる全ての人々は,この大きな流れの中で,日々の仕事に取り組んでいます。矯正と保護の職場では,仕事の内容が大きく変化し,また,現場での努力が更に大きな変化を生もうとしています。検察は,「入り口支援」が実務に定着しつつある一方で,その枠には収まりきらない,薬物依存,児童虐待,ドメスティックバイオレンスなどの深刻な事案に日々直面しています。公訴権を独占し,広範な裁量権を有する検察官は,特に悩みが深いことでしょう。裁判所も,裁判員制度を契機として,刑罰執行の現状を直視することが多くなったと思います。刑事弁護の世界では,被疑者国選弁護が身柄全件に拡大する中で,罪を犯した人の社会復帰支援にどのような役割を果たすことができるのか,などの模索が続いています。
 刑事法の研究を志す人には,その対象が豊かに広がっています。刑事司法の各現場における変化とそこで議論されている内容をフォローするだけで,大変な作業になることでしょうが,こういう時代にこそ,法の根幹に立ち返り,現場レベルの変化が意味するところを理論的に解き明かし,将来の方向性を指し示していくことが期待されています。

 刑事政策研究会は,こうした全ての動きに関する最先端の情報と最高度の議論が行き交うことのできる場でありたいと思います。その役割を果たすための,新しい時代にふさわしい手段となるように,との思いから,このホームページは全面的にリニューアルされました。
 刑事政策研究会の活動は,専ら会員からの会費収入に支えられています。広く刑事政策思想の普及を図ろうという思いもあって,会員に限定した情報提供や特典はほとんどありません。皆様の高い志によって,この事業は支えられています。
 今回のホームページのリニューアルも,会員各位の尊い志の賜です。このホームページが溢れてしまうほどに,皆様の研究や活動の報告,刑事政策に関する様々な思いをお寄せいただき,刑事政策研究の中核となる場として育てていただきたいと思います。皆様のご参加をお待ちしています。

平成30年9月1日
日本刑事政策研究会 会長 小津 博司





刑事政策とは?


 現在、我が国で講義されている、刑事政策(大学によっては刑事学あるいは犯罪学という名称で講義している)学問は、犯罪の原因を探求し、その対策を講じる学問であると思っている人がいるかもしれない。しかし、決してそうではない。刑事政策は、警察、検察、裁判、矯正、更生保護という刑事司法制度の各段階において、犯罪者をどのように取り扱い、人権を保障しながら、正義を実現していくかを追求する学問でもある。また、そこでは、最近、リエントリーという言葉が使用されている再犯防止、再社会化、社会復帰等を念頭に、有効かつ適切な犯罪者処遇についても講じなければならないのである。
 また、刑事政策は、犯罪白書の犯罪統計を用いながら、少年非行、交通犯罪、薬物犯罪、組織的犯罪・暴力団犯罪、女性犯罪、高齢者犯罪、精神障害者の犯罪等の各種犯罪の動向やその対策を講じる学問であると思っている人もいるかもしれない。しかし、決してそうではない。少年非行を講じる場合には、少年法や少年院法あるいは少年鑑別所法を、交通犯罪を講じる場合には、道路交通法を始めとする交通犯罪関係法令の改正状況を参照しながら、薬物犯罪を講じる場合には、覚せい剤取締法、麻薬及び向精神薬取締法、あへん法、大麻取締法、麻薬特例法等の特別法を参照しながら講義をしなければならないのである。いわば、刑事政策とは、特別法を講義する学問でもある。
 刑事政策の縄張り範囲は、これに留まるものではない。死刑、自由刑、財産刑、刑の執行猶予、保護観察、仮釈放、累犯等の刑法典の刑罰関係法規を講じるのも刑事政策である。そのため、憲法、刑法、刑事訴訟法の基本的枠組みを土台として、法体系を駆使しながら講義を進めなければならない。
 さらに、刑事政策は、これらの各事項について、諸外国の動向を講義内容に盛り込まなければならないのである。英語の得意な人は、アメリカ、イギリス、オーストラリア等の動向を、フランス語の得意な人は、フランスとの比較研究を、ドイツ語の得意な人は、ドイツでの情報を入手して、各国の刑事政策の新しい実情を講義することが望まれる。そのために、大学で刑事政策を担当するには、少なくとも10年の研究期間が必要であるといわれている。
 警察官、検察官、裁判官、弁護士、保護観察官等の犯罪関連の実務に従事する者は、刑事政策が職務を遂行する上での必須の学問であることを肝に銘じてほしい。

中央大学名誉教授 藤本 哲也


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