日本刑事政策研究会
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論文の募集
令和8年度
刑事政策に関する懸賞論文応募要領等
一般財団法人日本刑事政策研究会
読         売         新         聞         社
(後        援)        法         務         省
1 懸賞論文募集の趣旨
 これまで、一般財団法人日本刑事政策研究会は、刑事政策に関しての優れた研究に対する「刑事政策研究会賞」の授与、会報誌「罪と罰」(季刊)の発刊等を通じ、また、読売新聞社は、法務省主催の「社会を明るくする運動」の後援等により、それぞれ「犯罪の防止と罪を犯した人たちの更生を実現する」ことを目的とする活動を行ってきました。
 住み良い社会を作り上げるためには、このような刑事政策思想の普及が特に重要であるとの観点から、この度、我が国の将来を担う大学又は大学院の学生を対象として、刑事政策に関する論文の募集を共催し、優れた論文に対して賞状及び賞金を贈呈することといたしました。
 奮って応募してください。
2 論文の題目等
「刑事政策におけるAIの活用について」
 近年、AI(人工知能)の性能が飛躍的に向上し、政府も、令和7年12月に閣議決定された「人工知能基本計画」において、「今こそ、AIの利活用及び研究開発を積極的に推し進め、経済・社会構造の変革や付加価値を創出していく『AIイノベーション』の推進を始めとして、我が国としてAIに関する国家戦略を構築していくことが不可欠である。」とした上、「AIは、国民の生活の質の向上ももたらし、健康・医療、防災を含む安全・安心な国民生活を実現する。」などとしている。
 ここで、刑事政策を取り巻く環境に目を向けると、犯罪の態様が高度化・複雑化するなどしており、捜査、公判、犯罪者処遇の各段階において取り扱う情報の量が増大している。このような状況のもとで、今後、適切に、各種情報を処理し、捜査、公判、犯罪者処遇を遂行するためには、高い情報処理能力を具備するAIを活用することが有用であると考えられる。また、刑事政策に係る施策の効果を検証する過程においても、AIを活用することが有用であると考えられる。さらに、日常的な業務においても、定型的な書類の作成、検索、要約、翻訳等においてAIを活用し、一層の業務の効率化を図り得るものと思料される。
 しかし、同「人工知能基本計画」において、「AIには様々な観点でのリスクが存在しており、誤判断、ハルシネーション等、不適切な情報の出力といった技術的リスクのみならず、差別や偏見の助長、犯罪への利用、過度な依存、プライバシーや著作権等の財産権の侵害、環境負荷の増大、偽・誤情報の拡散、さらに、雇用・経済不安といった社会的リスクやサイバー攻撃等の安全保障上のリスクにも拡大している。」などと指摘されているとおり、AIの活用にはリスクが伴う。取り分け、刑事政策の分野においてAIを活用する場合、他の分野とは異なり、固有かつ深刻な問題が生じ得る。例えば、AIによる人の行動の分析や予測が、特定の属性を有する者に対して、差別的な処遇や過剰な監視を導く可能性が考えられる。また、AIが、犯罪対策、捜査、公判、犯罪者処遇等の刑事政策の各分野における判断に介在したとすると、判断の過程がブラックボックス化し、判断に至る経緯や理由に関する説明に困難を来たし、正当性があやうくなったり、判断に関する責任の所在が不明確になったりするおそれも考えられる。さらに、刑事政策は、国民の信頼に支えられることが不可欠であると考えられるところ、AIが刑事政策に活用された場合には、AIに対する不信により、これまで築き上げられた刑事政策に対する信頼が揺らぐ危険もあると考えられる。
 このように、刑事政策の分野においても、AI活用の有用性が認められる一方、そのリスクも否定し難い。そこで、刑事政策において、どのようにAIを活用することが考えられるか、また、そうした活用によりどのような問題が生じ得るか、さらには、そうした問題をどのように捉え、どのように対処すべきか、自由な発想により論じていただきたい。なお、字数の制限もあるので、総花的な評論ではなく、少数のポイントに絞って論じていただきたい。
3 応募要領
(1)
応募資格
大学又は大学院に在学する学生に限ります。
(2)
論文作成上の注意事項及び分量
 パソコン・ワープロで作成する場合は、A4判用紙(特定の大学、機関名等の入ったものは不可)を使用し、横書き、1ページ・34字×32行、活字約12ポイント、字数4,000字以上6,400字以内とし、枚数は4ページ以上6ページ以内とします。
 手書きする場合は、市販のA4判横書き用400字詰め原稿用紙を使用し、黒又は青インクの万年筆又はボールペンを使用して記載してください。鉛筆書きは無効とします。枚数は、同稿用紙10枚以上16枚以内とします。
 なお、統計表・グラフ等を用いる場合は、パソコン・ワープロ・手書きとも指定枚数内に収まるようにしてください。
 論文を記述した用紙には、氏名、大学名、担当教授名その他予断を生ずるような事項を記入しないでください(氏名等は、(3)のとおり、別紙に記載していただくことになっております。)。
 募集しているのは試験の答案ではなく学術論文ですから、著作権法(特に第32条)にも留意しつつ、既に発表されている情報・意見等については、それに言及する際、その都度適切な出典を注記し、また、判例・統計・グラフ等を引用するときにも、その都度資料源を明記して、一読しただけでどの部分が他者から得た情報でどの部分が独自の調査・収集に係る未発表の情報や主張であるかが判然とするようにしてください。
 このような学術論文作成上のマナーを無視し、多くの文献に依拠しながら単に論文の末尾に引用文献を列挙するにとどまるようなものは、審査対象外とします。
 ChatGTP等の生成AIにより、論文を作成することは認められません。
(3)
論文提出に当たっての留意事項
論文の提出に当たっては、論文の本文とは別に、次の書面を作成し、これを論文の本文に添付してください。
 別紙として、論文作成者の氏名(振り仮名を付ける。)、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、大学名、学部及び学年を記載した書面
 論文の要旨を字数800字以内にまとめた書面
(4)
論文提出は、1名一論文に限ります。
(5)
提出期限  令和8年8月31日(月) 必着厳守
(6)
論文の提出先
〒279-0013
千葉県浦安市日の出2丁目1番16号
法務省浦安総合センター内
一般財団法人日本刑事政策研究会 懸賞論文受付係
電話 047-304-5571
なお、封筒表面に「懸賞論文」と朱記してください。
4 賞及び賞金
優れた論文には、次の各賞に応じ、それぞれ賞金や賞品が贈呈されます。
(1)
優秀賞(2名以内)
賞金 各10万円
及び
読売新聞社賞      各賞品
(2)
佳 作(5名以内)
賞金 各5万円
5 論文の審査
(1)
審査委員
元福岡高等裁判所長官池田     修 先生
早稲田大学法学学術院教授小西   暁和 先生
弁護士・元法政大学大学院法務研究科教授安東 美和子 先生
読売新聞グループ本社執行役員社長室長原口   隆則 先生
法務総合研究所長森本   加奈 先生
(2)
審査の最終決定は、令和8年11月下旬ころの予定です。
ただし、審査過程に関する問合せには応じません。
なお、応募論文は、返却いたしません。
6 受賞者の発表等
(1)
受賞者の発表は、一般財団法人日本刑事政策研究会の発刊する前記「罪と罰」誌上及び読売新聞紙上において行います。
(2)
優秀賞の論文は、「罪と罰」誌に全文掲載するほか、内容のいかんによっては、読売新聞紙に掲載されることもあります。
なお、受賞論文の著作権は、一般財団法人日本刑事政策研究会に帰属することとします。