日本刑事政策研究会
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刑事政策の現場から
全国各地で刑事政策を実践・研究する現場の紹介
【東京少年友の会】
 東京少年友の会は、1966(昭和41)年に「東京家庭裁判所で扱う非行少年の更生福祉施策に協力し、少年の健全育成に資することを目的」に設立されました。家裁に係属する少年や補導委託先の篤志家に精神的にも物質的にも様々な活動を展開しています。
 会の構成員は現役の家事調停委員及び経験者が中心であり、元裁判官や元家裁調査官など裁判所職員であった者もいます。大学生・大学院生も学生会員として加わっています。学生会員は少年の年齢に近く、少年からの信頼を得易く、健全なモデルとして影響力が大きいという特徴があります。現在、会員が約690名、学生会員が約60名です。
 なお、2009(平成21)年にさが家庭・少年友の会が設立され、全国50ヶ所の全ての家裁に対応する会が揃い、現在では全国少年友の会連絡会が各会の情報交換や諸活動の共有化に努めています。
 家裁では少年を調査・審判する過程で様々な教育的措置を行っていますが、友の会が関わることで少年の健全育成に資することになると判断された事例に派遣要請をしています。この依頼に応じて会員や学生会員の中から事例に相応しい人を選び、推薦し、家裁の指導の下に活動しています。
 活動の大部分は会員と学生会員の協働ですが、会員のみの活動には、付添人活動、未成年後見活動、就労支援活動、保護者の会などがあり、学生会員が関わるものには、学習支援やいわゆる友達活動、様々なプログラムを体験する中で親子関係の改善を図る親子合宿などがあります。また、少年が行う社会奉仕活動にも参加し、海岸でごみ拾いを行う地域美化活動、家裁での切手整理活動、老人ホームでの車いす清掃に協力しています。さらに最近では、SNS絡みの非行が目立つようになったことから、家裁の要請で少年へのSNS使用上の教育的措置ツールの検討会に加わっています。
 こちらでリーフレットがご覧いただけます。
文責:余語 郁哉
(令和2年3月10日掲載)



【法務省法務総合研究所研究部】

法務総合研究所研究部がある法務省浦安総合センター

 法務省法務総合研究所研究部では,検察・矯正・更生保護出身の研究官が,刑事政策全般について総合的な調査・研究を行っています。
 研究部は,毎年,「犯罪白書」を作成しています。犯罪白書は,我が国の犯罪の実情や犯罪者処遇の概要を知ることができる貴重な資料です。令和元年版犯罪白書(同年11月公表)では,「平成の刑事政策」として,全編を挙げて,平成期における法規の変遷,犯罪動向,犯罪者処遇や犯罪被害者支援の変遷等を総括しています。また,研究部では,刑事政策に関する実態調査や海外の情報を収集・分析して,「研究部報告」として公表しており,平成31年3月には,「再犯防止対策等に関する研究」及び「暴力犯罪者に関する研究」を公表しています。
 これまでの犯罪白書や研究部報告は,法務省のHPから閲覧できますので,ご覧になってください。
 平成30年3月に公刊された最新の研究部報告 58 「青少年の立ち直り(デシスタンス)に関する研究」の概要をまとめた Research Department Digtal Report 《研究部短信》 Vol.3 はこちらからご覧いただけます。
 法務省法務総合研究所
(平成30年10月26日掲載、令和元年12月13日最終更新)



【三重大学・田中亜紀子研究室】

三重大学 構内

演習風景
 

 三重大学人文学部法律経済学科の田中亜紀子研究室では、少年非行、親密圏における暴力、再犯防止対策など、学生の刑事法領域に関する幅広い問題関心に対応した刑事法の研究を行っています。学生は、大学3年次に基本書の輪読やグループ報告、そして司法関係施設見学を、4年次それぞれのテーマに関する卒業論文を完成させます。犯罪は決して他人事ではなく、自身を含む誰もが被害者あるいは加害者になり得ると考え、そこから刑事政策問題に取り組む様指導しています。
 担当教員の田中は法制史の研究者であり、現行刑法を始めとする刑事関連諸法が制定されてから今日に至るまでの変容やその受容過程に関する研究に取り組んでいます。同時にストーカー、DV、児童虐待、いじめ、あるいは被害者支援など大学生の社会問題への関心に応えるべく、学生と共に日々現在の刑事政策分野における問題を検討しています。
(平成31年3月15日掲載)

【長崎総合科学大学・柴田守 刑事政策研究室】

長崎総合科学大学 正面

刑事政策研究室内
 

 長崎総合科学大学・柴田守 刑事政策研究室では、刑事政策に関する諸問題について、法学の知見だけではなく、社会学、心理学、統計学、情報工学、生態学、社会生物論などの知見や技術を活用しながら、多角的に分析・検討しています。特に、研究室では、社会調査など実証研究を積極的に行っており、オリジナルデータをもとに分析を行い、問題の検討を重ねています。
 現在、研究室では、中期的な研究課題として、(1)統計的機械学習を用いた裁判員裁判の量刑判断に関する数量化モデル(量刑予測モデル)の構築、(2)少年司法機関と学校教育機関の連携強化に関する検討、(3)性刑法改正後の性暴力対策及び被害者支援のあり方に関する検討などに取り組んでいます。また、15年以上にわたる長期的な研究課題として、(4)修復的少年司法に関する検討を行っており、近年は、「少年司法システムにおける<修復>の自己組織化」を念頭に置いて、少年法の伝統的な概念を再検討しています。
 研究室では、様々な分野の方々と共同して刑事政策に関する諸問題の分析・検討に取り組んでいきたいと思っています。ぜひ一度、柴田守の刑事政策研究室HPにお立ち寄りください。
(平成30年11月07日掲載)

【中央大学・四方光研究室】

 

 中央大学法学部の四方 光(しかた こう)研究室では、犯罪者処遇、被害者支援、犯罪予防等の幅広い観点から刑事政策学及び犯罪学の研究を行っています。
 教授の四方は、長年警察庁で勤務した実務家出身ですので、サイバー犯罪やストーカー犯罪など比較的新しい犯罪類型について研究者にもあまり知られていない事実を紹介する研究に力を注いでいますが、現在話題の再犯防止対策をはじめ官民を問わず犯罪対策の現場でのご苦労を汲み上げる研究にも貢献していきたいと考えています。
 また、本研究室は、藤本哲也名誉教授(日本刑事政策研究会理事)の跡を引き継ぐ伝統ある研究室なので、所属する大学院生は、デジスタンスや高齢犯罪者対策をはじめ犯罪者処遇等の理論と実践の地道な研究に日々没頭しています。
(平成30年11月07日掲載)