1 はじめに
路上で,群れをなして大人を襲う少年たちがマスコミなどで取り上げられるようになってから,はや数年が経過し,当初は人々に衝撃を与えた「おやじ狩り」という言葉も,すでに流行語としての鮮度を失った感があるが,少年による強盗事犯は依然高水準で推移し,凶悪・粗暴な犯罪に走る少年の増加と受け止められて社会不安の一因となるとともに,少年の健全育成を願う人々を憂慮させている。また,昨年までは,強盗ほどにはその増加が目立たなかった殺人も,本年は,低年齢者を含む少年による無惨な事件が相次ぎ,少年非行への有効適切な対策の実施は,国を挙げての重要課題となった。
このような社会情勢や犯罪状況のもと,平成15年版犯罪白書(以下「本白書」という。)は,「変貌する凶悪犯罪とその対策」を特集テーマに取り上げ,殺人,強盗に焦点を絞って,その実態や背景・要因等を多角的に分析・検討し,その対策への提言を行っている。
本稿では,本白書の中から,近年における少年による強盗事犯(以下「少年強盗事犯」ともいう。)の増加の実態と,これらに対応する矯正処遇の動向等を中心に,関連部分の一端を紹介させていただくこととする。なお,誌面の都合上,まずもって説明するべき少年非行に係る基礎データや用語の定義等を省略しているので,本白書に当たっていただければありがたい。また,本稿における本白書の記載を超える部分については,私見であることをお断りしておく。
2 少年による強盗事犯の動向と特徴
少年による強盗事犯及びその近年の動向は,成人と比べてどのような特徴を示しているのであろうか。これについて,第5編第2章及び3章では,広範な視点でとらえた様々な統計データを提示しているが,本稿では,増加の様相並びに犯行手口及び共犯形態に関する部分をかいつまんで紹介する。
まずは,近年における強盗事犯の増加について。強盗事犯の検挙人員を,平成3年と14年とで比較すると,1,660人から4,151人へと約2.5倍に増加し,うち,少年は,3年の678人(総数に占める比率40.8%)から,14年の1,586人(同38.2%)へ,約2.3倍になっている。さらに,3年を100とした指数で見ると,14年は,少年234,成人261となる。少年,成人がそろって増加しているが,成人の増加の方がより著しい。また,増加のパターンを見ると,少年は,9年に対前年比で56.8%(607人)増と急増し,1,600人の大台に乗った後は,おおむね高止まりとなっているのに対して,成人では,9年以降も増加を続け,14年までの5年間で1,088人の増となるなど,少年と成人とでは,最近における増加の様相に相違が見られる。
次に,犯行手口について。平成14年の少年強盗事犯検挙人員を手口別に見ると,非侵入強盗が9割以上を占めており,取り分け路上強盗の比率(64.8%)が高い。しかも,近年における少年強盗事犯の増加の大半は,路上強盗によるものである(少年強盗事犯検挙人員中,路上強盗は,3年の436人から14年の1,027人へと591人増加しており,少年強盗事犯検挙人員の増加(908人)の65.1%を占めている。)。侵入強盗が約4割を占める成人とは,かなりの相違があるといえよう。ただし,成人でも,近年,上がり込みなどの侵入強盗と並んで,路上強盗が増加を続けていることに留意を要する。
最後に,共犯形態について。1図は,強盗について,共犯形態別検挙件数及び共犯率の推移を見たものである。単独犯が多い成人に対して,少年では共犯率が顕著に高く,しかも上昇傾向にあり,加えて「4人以上」の多数による共犯率も高いことが見て取れる。まずは,共犯率,多数共犯率が高いことが,少年強盗事犯の特徴といえる。ただし,「成人・少年共犯」が,実数は小さいながら,増加傾向を示していることも目を引くところである。
以上,少年による強盗事犯は大半が共犯で,集団化が進み,9割以上を占める非侵入強盗,取り分け路上強盗の増加が,その総数を押し上げているが,平成9年に急増した後は高止まりにあるのに対して,成人では単独犯が多く,侵入強盗が4割を占め,9年以降も増加を続けており,「強盗が増えている」と一口にいっても,少年と成人とでは,相当に異なる様相を示している。
1図 強盗共犯形態別検挙件数及び共犯率の推移 |
3 最近の強盗事犯少年の実態等
それでは,近年急増した少年強盗事犯の内実はどのようなものであろうか。第5編第4章「特別調査−最近の強盗事犯少年の実態及びその問題性」では,平成14年及び5年に全国の少年鑑別所に入所した強盗事犯少年(男子)について行った調査結果に基づいて,最近の強盗事犯少年の実態及び増加に係る諸要因の分析を試みている。先にも述べた,少年強盗事犯における共犯率の高さと関連して,「共犯・事件のエスカレート化」を始め,様々な視点から分析しているが,本稿では,「動機・手口の着想に関する分析」を中心に,関連データの一部を紹介することとする。なお,同分析においては,最近における傾向を鮮明にするため,14年の入所者(以下「14年対象者」という。)と5年の入所者(以下「5年対象者」という。)を対比している。
(1) 犯行動機等
上記特別調査(以下「本調査」という。)では,犯行場面における対象者の心理的側面について多角的に分析するため,犯行時に最も関心を抱いていたこと(以下「最関心事」という。)と,それぞれの関心事にかかわる動機(以下「各種動機」ともいう。)とを取り上げている。
「最関心事」については,少年による強盗の場合,必ずしも「金品奪取」を目的とする場合に限らないとして,「金品奪取」,「被害者への威嚇・暴力」,「共犯者との関係」,「特になし」のいずれであるかについて調査している。その結果,「金品奪取」がいずれの対象者においても最も多いが,取り分け14年対象者では,5年対象者より,比率にして7.6ポイント上回って,53.9%を占め,人員では約3.6倍(5年対象者138人,14年対象者499人)となっており,近年,金品奪取を最関心事として強盗に至る少年が増えている実態がうかがえるとしている。また,14年対象者では「共犯者との関係」が「金品奪取」に次いでおり,比率では5年対象者とほぼ同じであるが,人員では約3.1倍(5年対象者77人,14年対象者237人)となっている。共犯率の高さは少年強盗事犯の特徴の一つであるが,共犯者との関係で犯行にかかわる者も,人員において,増えていることが示されているといえよう。
それでは,金品奪取や,共犯者との関係などの関心事と関連して,具体的な動機となっているのはどのようなものであろうか。2図は,それぞれの関心事にかかわる各種動機について見たものである。まず,@金品奪取にかかわる動機としては,「遊興費欲しさ」の比率が高いほか,「簡単に金品が手に入るのなら欲しい」も高く,これらは14年対象者において,人員のみならず比率においても増加している。必ずしも差し迫った必要性から金品奪取に至っているわけではなく,遊興費欲しさや簡単に金品を得ようと犯行に至る者が多く,かつ,増えていることが示されている。A被害者への威嚇・暴力にかかわる動機としては,「手っ取り早く金品を奪いたい」の比率が高く,ことに14年対象者における伸びが著しい。手っ取り早く金品を奪うために暴力を振るう者が,著しく増えていることが示されている。B共犯者との関係にかかわる動機としては,「認められたい」,「共犯者に誘われてその気になった」の比率が高い。また,「孤立したくない」,「行動を共にしないと仕返しされる」など,共犯者への不安や恐れを伴う気遣いを示すものも,14年対象者において,人員のみならず比率においても増加しており,このような形で共犯者との関係につながり,犯行に加わる者が増える傾向にあることが示されている。
なお,以上の結果の中でも,手っ取り早く金品を奪うために暴力を振るう者の増加は注目すべき点であり,本白書ではこれについて,「近年の強盗事犯の増加に関連する一因となっていると推察できる。」としている。
2図 強盗の各種動機―強盗事犯少年別特別調査 |
(2) 犯行手口の着想
犯行手口の着想に関する結果の分析においても,強盗事犯少年が急増した現象を考える上で,興味深いデータが示されている。3図は,犯行手口の着想について,共犯の有無別に見たものである。「共犯を伴う者」においては,「友人・先輩・共犯者から聞いた」,「同種の犯罪に及んだことがある」の比率が高く,特に前者については,平成14年対象者では42.8%(360人)に及び,5年対象者の18.3%(51人)から顕著に増加しているのが注目される。これらの結果は,共犯を伴って強盗事犯に至った最近の少年たちにとっては,強盗が仲間内などで身近に話題にされるものとなっていることや,非行に関する情報源として仲間が影響を及ぼしていることなどをうかがわせるとともに,凶悪犯罪である「強盗」を実行することのハードルが低くなっていることを危ぐさせるものである。
3図 共犯の有無別に見た犯行手口の着想―強盗事犯少年特別調査 |
(3) 本件非行にかかわる問題点
ところで,(1) (2)で述べた分析結果は,強盗事犯の重大性への認識の希薄さ,思考・行動の短絡性,暴力への抵抗感や他者の感情への共感性の乏しさ,あるいは集団場面における行動傾向や対人関係・交友関係の問題など,強盗事犯少年における様々な問題性を推察させるものである。本調査では,14年対象者について,少年鑑別所における資質鑑別の結果明らかにされた本件非行にかかわる対象者の問題点をまとめ,例えば,@「即時的・短絡的に物欲を満たそうとする」,「大切な人以外の他人への思いやりや想像力に欠ける」,「集団になると気分が高揚して調子に乗る」などが認められる者は,それぞれ7割を超える,A「攻撃性が強く,人に暴力を加えることに快感を覚える」が認められる者は約2割であるが,「暴力を振るうことに抵抗感がない」と認められる者は半数に及ぶ,などを指摘している。詳細については,「資質の特徴に関する分析」(第5編第4章第2節の4)を参照されたい。
以上,本稿では,強盗事犯少年に係る心理的・個人的な要因に焦点を当てたが,本白書では,「環境とのかかわり等に関する分析」として,環境的・社会的な側面からの分析も行っている。また,本稿では多数を占める共犯を伴う強盗事犯少年を取り上げたが,単独犯の少年は,様々な側面において共犯を伴う少年とは相当に異なる傾向を示していることも付言させていただく。
4 最近の強盗事犯少年等に対する少年院の処遇
最近の強盗事犯少年の増加並びにその実態及び問題性に対応して,矯正処遇においては,どのような動きが認められるのであろうか。以下では,第5編第6章の中でも,強盗事犯に関連した少年院の処遇を取り上げる。
(1) 強盗事犯に係る少年院の収容動向
近年における強盗等暴力的事犯増加に対応した少年矯正施設の収容動向等については,昨年版でもデータを提示しているが,本白書は更に処遇区分にも着目して,少年院の収容動向を見ている。すなわち,強盗に係る少年保護事件の家庭裁判所終局処理状況について,昭和57年以降の推移を見ると,@少年院送致人員は,おおむね100人台であったものが,平成8年は前年比132人(75.4%)増,9年には同252人(82.1%)増と急増して500人を突破し,以降はおおむね500人を超え,14年も584人と高水準を維持している。また,A少年院送致の比率(刑事処分相当としての検察官送致,少年院送致,保護観察,児童自立支援施設等送致,知事等送致,不処分,審判不開始の和を母数とする。)は,8年までは20〜30%台で推移していたものが,9年には40%を超え,14年には44.2%と,昭和57年以降で最も高い数値を示している。さらに,B処遇区分別に見ると,短期は平成9年の264人をピークに横ばいないし減少傾向にある一方,長期は,9年に次いで12年にも増加し,14年は388人と,3年以降では最多となっている。以上,9年ころに少年院送致の人員及び比率が急上昇し,12年以降は,長期処遇が増えているのを見て取ることができる。
(2) 強盗等凶悪事犯に係る少年院における処遇の動向
それでは,強盗事犯少年に対して,少年院ではどのような処遇が展開されているのであろうか。以下では,第5編第6章第4節「強盗事犯少年に対する少年院及び保護観察における処遇の実情」から,少年院の処遇に関する部分を,かいつまんで紹介する。
少年一人一人の問題性と必要性に応じた個別的な処遇を実践するための「個別的処遇計画」(少年ごとに作成し,教育目標,教育内容及び方法等を示したもの)においては,例えば,「本件非行の重大性を理解させる」「被害者に対するしょく罪意識を高めさせる」など,本件非行に密接に関連した「個人別教育目標」が設定されている。これらは,その重大性への認識が乏しいままに強盗事犯に至った少年たちにとって,まずもって必要なことといえる。
次に,具体的な教育内容・処遇技法に目を向けると,例えば,他者への想像力や共感性に乏しく,被害者の感情にも思いが至らない者に対して,被害者との関係を想定した「ロールレタリング(役割交換書簡法)」を行い,被害者の立場に立った手紙を書かせ,被害者の気持ちになって考えさせるとともに,これに対する返事を書くことを繰り返す過程を通して,被害者の痛みや苦しみを理解させ,反省を深めさせようとする指導などが実施されている。また,集団場面での行動傾向や対人関係・交友関係の在り方における問題が多くの者に認められることに対応して,「SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)」や「集団討議」などが多く実施されているほか,「不良交友」,「暴走族」を取り上げた「問題群別指導」などが行われている。これらは,少年院で展開している広範で体系的な処遇の一端を取り上げたに過ぎないが,最近の少年たちが抱える様々な問題性と,これに対応した少年院における教育の方向性をかいま見ることもできよう。
例えば,上述した被害者に対するしょく罪意識にかかる指導は,矯正教育において現下の重要課題となっている「被害者の視点を取り入れた教育」の充実化の一例でもあり,第5編第6章第2節には,少年院及び行刑施設におけるしょく罪意識にかかる指導等の実施状況に関するデータを示している。
さらに,少年院については,生命尊重及びしょく罪指導等に重点を置き,処遇の個別化と処遇期間の弾力化の徹底が図られた処遇課程の細分「G3」(「非行の重大性等により,少年の持つ問題性が極めて複雑・深刻であるため,その矯正と社会復帰を図る上で特別の処遇を必要とする者」が対象)に関するデータも示している。平成9年9月に「G3」が新設されて以降,少年院新収容者のうち,対象者の人員はこれまで10人未満で推移してきたが,14年は16人(男子13人,女子3人)と,これまでの最多となった。
少年院の収容動向にかかわる要因は多様で,一面的に論じることはできないが,強盗事犯少年の少年院送致が上昇し,中でも長期処遇の増加が目立つ,「G3」対象者が従来にない人員を示すといった最近の動向は,矯正教育の視座からは,対象者が抱える問題性が,複雑化・深刻化の方向に進んでいることを示唆するものと解することができよう。
5 少年受刑者の収容動向
強盗に係る少年保護事件の処理状況については,最近,刑事処分相当としての検察官送致(以下,「逆送」という。)が増加の兆しを見せていることも注目される。改正少年法の平成13年4月以降の施行により,いわゆる原則逆送事件について,逆送の比率が上昇したことは裁判所関係資料が明らかにしているところであるが,強盗についても,逆送の増加の兆しが,本白書のデータからうかがえる。例えば,強盗の,13年における逆送の人員・比率(比率算出の母数は,「少年院送致」の比率と同じ。)は76人,5.6%と,12年(35人,2.4%)の2倍を超えた。14年は62人,4.7%と,前年よりも若干減少したが,昭和57年以降では平成13年に次ぐ人員となっている。
そこで,少年受刑者(懲役又は禁錮の言い渡しを受けた者のうち,第一審判決時20歳未満のものをいう。以下同じ。)の最近の収容動向を見ると,幾つかの着目すべき傾向が認められる。まず,@少年新受刑者の増加の兆しである。少年新受刑者は長期的に減少傾向にあり,ここ10年間は,ほぼ4,50人台で推移してきたものが,平成14年は87人と,前年の55人から32人(58.2%)の増となった。総数は小さいが,この時期に増加に転じたことは注目されるところである。次に,A少年新受刑者の罪名別構成の変化である。14年は,強盗が最も多く30人を数え(強盗2人,強盗致死傷24人,強盗強姦・同致死4人),次いで傷害25人(傷害1人,傷害致死24人),殺人7人,窃盗と業務上過失致死傷がそれぞれ6人となっている。13年は,強盗8人,傷害13人であり,14年はこれらが急増している。さらに,昭和57年に目を向けると,総数では153人と平成14年をはるかに上回るが,業務上過失致死傷52人,窃盗25人で,合わせて約半数を占め,殺人,傷害はそれぞれ9人,強盗は8人にとどまる。最近,業務上過失致死傷が激減し,強盗及び傷害が増加しているのが特徴的である。B刑期においては,長期化が顕著である。少年新受刑者の刑期別(不定期刑は,刑の長期を基準とする。)推移を見ると,昭和57年には,「1年以下」「1年を超え2年以下」で8割弱を占め,「3年を超え5年以下」8.5%(13人),「5年を超える(無期を含む。以下同じ。)」11.1%(17人)であったものが,平成13年は,「3年を超え5年以下」38.2%(21人),「5年を超える」30.9%(17人)となり,14年は,「3年を超え5年以下」34.5%(30人),「5年を超える」48.3%(42人)となるなど,長期化が進んでいる。ことに14年における「5年を超える」の人員は,昭和57年以降では突出している。
以上,最近の少年新受刑者の収容動向において,強盗等の重大事犯により,長期間,行刑施設に収容される者が増加している状況を見て取ることができる。なお,年齢的には18,19歳が大半を占め,17歳以下は依然少数であるし,また,少年受刑者層の増加や質的変化は目立ちにくいが,重大事犯にかかわる深刻な問題性を抱える者が増えていると推察される上に,これらの者は,可塑性のある少年期を含む長期間,行刑処遇に委ねられることから,その改善更生に対する社会的要請も,当然,大きいことが予想され,少年受刑者に対する矯正教育の重要性は論を待たないところであろう。
6 おわりに
「変貌する凶悪犯罪とその対策」を特集テーマとし,少年に関しては近年の増加が目立つ強盗事犯少年の実態等に迫ることを試みた本白書は,少年に対する矯正処遇についても,重大事犯を犯し,複雑・深刻な問題性を抱えた対象者を,長期間を掛けて処遇する方向にある現状を浮き彫りにする結果となった。非行問題に国を挙げて取り組む現在,矯正施設には,「最も難しい」少年たちをじっくり教育し,改善更生に向かわせることが,切実に求められているといえよう。さらに,具体的な教育プロセス,個々の少年における「改善更生」の中身,改善更生及び社会復帰を図る上での被害者等を始めとする社会との関係の在り方などにも,社会の目が強い関心を持って注がれ,かつ,説明を求められる時代となった。
このような状況のもと,少年に係る矯正処遇においては,矯正教育の充実に資する,ことに,教育内容及び方法並びにその効果の検証等に係る調査研究が今後ますます重要となり,推進されていくものと思われるが,本白書に盛り込まれた豊富なデータは,これらを進める上でも,示唆に富むものであると考える。